Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第一一話「誇り高き命」感想

早いものでThunderbolt Fantsyも11話、残す所2話になりました。これほど一つの作品にのめり込むのは久々のことだったので、もうすぐ終わってしまうのは非常に悲しい。

天刑劍の柄を盗むため、凜に化けた殤は蔑天骸と空の旅に興じます。
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蔑天骸によって語られる天刑劍、神誨魔械、そして窮暮之戰。それによれば、実は神誨魔械に魔族を滅ぼすだけの力は無く、魔族を魔界に返すのが精一杯だった、 とのこと。しかし天刑劍だけは別物で、妖荼黎(ようじゃれい)と呼ばれる魔神を倒したことがあるという。ちなみに↓がその妖荼黎。
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こいつ、もしかして、カマキラス……?
カマキラス
カマキラス
話を本編に戻します。故にその力は数多ある神誨魔械の中でも最強に違いない。それが蔑天骸が天刑劍を求める理由でした。
しかしこれに異を唱える殤。曰く、魔神はこちらの世界とは全然理屈が違う生き物であり、生き物としての命を持っているのかも怪しい。そんな存在を、本当の意味で殺すことが果たして出来るのかどうか。まるで会ったことがあるかのようだと訝しがる蔑天骸に、まさかそんな……、と誤魔化す殤。どう見ても何かある様子です。うーん、その辺りに殤が鬼歿之地を踏破出来た理由が隠されているのでしょうか。

さて、下界につき殤が蔑天骸を案内しようとしますが、蔑天骸どころか凋命にも凜ではないと即効でバレました。まあ殤の演技があまりにもあんまり、というか演技しようとしてたのかすら怪しいほど話し方がいつもと変わらなかったので、バレるのは致し方ないことでしょう。劇中の殤の演技はドヘタでしたが、凜役の鳥海さんの殤の演技は実にそっくりでした。声優ってすごい
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ばれちゃあ仕方ないという事で、殤も変装をやめ、玄鬼宗と切った張ったの大立ち回り。魔脊山以来の殤の殺陣でしたが、彼の本当に本当の本気を見れるのは恐らく蔑天骸との最後の一騎打ちの時でしょう。今から非常に楽しみです。
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「玄鬼宗よ!我が猟犬たる本分を示すがいい!」
ははーっ!
はっ……!蔑天骸のあまりのカリスマに、つい俺も応えてしまった。
凜が偽者だと気づいていたとはいえ、事実凜の策通り七罪塔から離されたにしては余裕があると思ったら、蔑天骸は既に柄を持ち出していました。うんうん、ラスボスはこれぐらい手強くないと。

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他方で天刑劍の鍔を求めて寺に向かう捲殘雲と丹翡。燈籠の中から鍔を見つけますが、そこに待ったをかけるのは狩雲霄と刑亥。二人は蔑天骸と話をつけ、鍔を奪うため殘雲らの後をつけていたのでした。丹翡に鍔の隠し場所を教えた殤が悪いのか、丹翡を連れ出した殘雲が悪いのか……。もちろん一番の悪は欲深い者であって、丹翡たちがこのことを気に止む必要はありません。九話で殤が言っていたように、どれだけ騙され利用されようとも、正しくあろうと思ったことを悔やむべきではないのです。

教えた通り後ろを気にしていれば、尾行に三回は気づけていたと言う雲霄。得意気に話すことでもないような…… 別に稽古をつけているわけでもないのですから。まあそれだけ殘雲たちのことを舐めていて、実際彼らが油断していたことを煽っているだけってのはわかりますが。あるいは雲霄はまだ殘雲のことを弟子と考えていてそんなことを言ったのかもしれません。このあと自分の元に戻ってくるように言いますし。

丹翡VS刑亥。捲殘雲VS狩雲霄。最初に動いたのは刑亥でした。刑亥は護印師と船に乗るよりも殺しあうほうがやはり愉快だと笑います。これがARIAアリシアさんと同じ声とは……俄には信じ難い。
ただ一度の過ちなら許すと、殘雲を連れ戻そうとする雲霄。雲霄程の男でも、殘雲は惜しい人材なんですね。間接的に殘雲の株が上がりました。
もちろんこれを断る殘雲。
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「本物の誇りとは、命と引き換えに手に入れる。あんたの教え、胸に響いた!」
「ならば何故!?」
「だからこそわかったんだよ!いつか誇り高く死んでいくためにも!恥じるような生き方を、しちゃいけない!!」
「戯言を!」
雲霄の言う通り確かに戯言かもしれません。酸いも甘いも知らぬ殘雲の言葉よりも、老練な雲霄の言葉のほうがきっと正しいのでしょう。しかし戯言と取られるよ うな言葉だからこそ、その決意には価値があります。今この瞬間、精神性だけで言えば殘雲は雲霄に勝ったのです。まさかお調子者枠だった捲殘雲がここまで格好良く成長するとは。
そしてここぞというタイミングで念白が流れます。そういえば感想スレで念白のことをキャラソンと言っている人がいて笑ってしまいました。言い得て妙だと思います。

ぐるぐるアタックで果敢に雲霄に挑む殘雲。
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つーかそれどうやってんの?!
スクショだと何してるか全く分かりませんが、足に槍をくっつけてぐるぐる回っています。もう一度言うけど、どうやってんの?!
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雲霄も負けじと分身しました。つっこみきれねえ……。
精神性では雲霄に勝った殘雲でしたが、武の腕はまだまだ及ばないので敗北を喫します。
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何の因果か、殘雲は雲霄と同じように右眼を失いました。これでリベンジマッチで「俺が鋭眼穿楊・捲殘雲だ!」と名乗るイベントのフラグが立ちました。
丹翡が天刑劍の鍔=自分の使命より殘雲の命を優先したのは地味ながら非常に良かったと思います。

おおよその事情を把握し、だから情で動くやつと組むのは嫌なんだとひとりごちる凜。いつも人を振り回す凜が殤に振り回されるのを見るのは、ざまあみろって感じがして実に気分がいい。

次回 Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第一二話「切れざる刃」
「傷の痛みも患わず、憚られてなお笑う奴。誰が呼んだか風来坊、西の果てより来た男」