響け!ユーフォニアム2 第七回「えきびるコンサート」感想

北宇治吹奏楽部は駅ビルコンサートに出場することになりました。全国大会のことを考えれば辞退したいところですが、滝先生の出れる機会は大切にした方がいいという意向で決まりました。これから先のことを見据えているのか、滝先生の指導者としての優秀さが際立ちます。
駅ビルの駅とは京都駅のことですが、京都駅で俺が思い出すのが「ガメラ3」です。劇中でガメラとイリスが盛大にごめんくださいした場所で、実際の大きさでは入りきらないと良く議論されたりします。

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久美子が課題を提出しに職員室に行くと、そこにはあすか先輩とその母親がおり、何やら揉めている様子。
しっかし本当に久美子は決定的な場面に出くわしますね。超高校級の家政婦とは久美子のことなんじゃなかろうか。

あすか先輩の母親の要求はあすか先輩を退部させてほしいというもの。部活動よりも受験勉強に専念すべき、というのが理由です。いわゆるモンペ。
滝先生も、あすか先輩本人の意志でなければ退部届は絶対に受け取らないと譲りません。
あすか先輩の母親はシングルマザーのようで、自分一人で育ててきたのだから娘の将来は自分が決めると言います。うーん、このモンペっぷり。
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こんなシリアスな場面でも胸に目がいってしまう男の悲しい性よ……。

あすか先輩は、自分は部活を辞めたくないと言いますが、それを聞いて激昂した母にビンタを食らわされます。
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「なんで私の言うことが聞けないの!!あんな楽器吹いてるのも、私への当てつけなんでしょう?そんなに私のこと苦しめたいの?」
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「あ……あすか……ごめんなさい……私、また……カッとしちゃって」
おかんあかん。
まるで毒親の見本のようですな。あすか先輩の母親はあすか先輩にべったり依存してて離れられないのでしょう。自分の意にそぐわなかったら平気で手をあげるけど、そのくせ嫌われて離れられるのを極端に恐れるからすぐに謝る。あすか先輩の複雑怪奇な精神構造はその家庭環境に起因しているようです。

この騒動は瞬く間に吹奏楽部に広まり、あすか先輩が退部するのではという心配が部員を支配します。
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「お!やってるねぇ!」
しかしそんな心配事を吹き飛ばすように、翌日あっさりとあすか先輩は現れました。
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「心配かけてごめんね。大丈夫。みんなに迷惑かけるようなことしないから」
視聴者目線から見たらあすか先輩ってガチサイコパスで薄気味悪い存在ですが、一部員からしたら明るく面倒見がよく統率力があり演奏も文句なしの練習の虫という文句のつけようのない先輩ですから、このように慕われているのも当然と言えます。

部長と香織先輩もまた心配で声をかけますが、あすか先輩はそんなに心配しなくても大丈夫と言い、迷惑はかけないと繰り返します。全く自分のことを話そうとしません。思うに、あすか先輩はこれまで誰にも頼らずに生きてきたんじゃないでしょうか。そして不幸にもそれが出来るだけの才覚が彼女にはあり、結果さらに心の殻を強固にしてしまった。誰にも頼らず、相談せず、本当の心は隠したまま、今まで生きてきたのでは、と思います。
そしてその日からあすか先輩は部活から姿を消したのでした。

一週間経ち、あすか先輩は未だに部活に現れません。同じ学年の部長でも連絡取れないということは、学校にも来ていない様子。そこに畳み掛けるように、教頭先生があすか先輩の母親から退部届を受理したという噂が流れ、吹奏楽部に激震が走ります。部員としても演奏者としても屋台骨であるあすか先輩の離脱ですから、動揺が大きいのもむべなるかな。合奏練習にも力が入りません。
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「なんですか?これ」
これだよこれ。やっぱ響け!ユーフォニアムと言えばこれだよな。みんなずいぶん上手くなってもう聞けないかと思っていましたが、また聞けて非常に満足です。

浮足立つ部員をどうにかしようと、部長がみんなに聞いてほしいと言って話し始めます。
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話に割って入ろうとする後輩を黙らせる香織先輩。こんなふうに香織先輩に「半年ROMってて♡」と言われたら一も二もなくOKしてしまいそうです。

部長は、今まであすかは特別だと思って頼ってしまっていたが、今度は自分たちがあすかを支える番で、そのためにこれからも付いてきてほしい、と部員に頭を下げます。そしてかねてから打診されていた駅ビルコンサートでのバリサクソロを引き受けます。

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駅ビルコンサート当日、あすか先輩は何事も無かったかのように現れます。
そして後ろには例のカップルが。もはやウォーリーを探せみたいになってる。

来れたんだね、と言う香織先輩に、迷惑はかけないって言ったでしょ?とあすか先輩。どうもあすか先輩は自己評価が低いようですね。自分がいなくなって部活にどれだけ影響を与えたのか考えつかない様子。多分彼女の中では自分がいなくなったことは練習から演奏者が一人消えた程度の認識なのでしょう。自分がどれほど北宇治吹奏楽部にとって大事な人間なのか考えたこともないのでしょうね。

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そして演奏本番、部長は見事ソロパートをやりきり、観客からあたたかい拍手をもらうのでした。
嫌な言い方をすれば、あすか先輩の一時離脱は結果的に部長の成長を促し、あすか先輩に依存していた部の空気を自覚出来て部にとって良かったと思います。
しかしそれはあすか先輩が戻ってきてこそのこと。実際あすか先輩の問題はまだ解決せず、吹奏楽部を続けられるのかもまだわかりません。
それに加え久美子の姉の問題と、不穏な空気を残しつつ次週に続きます。