今週のジャンプ感想 2016年52号

・「オレゴラッソ」
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始まる前からネットでは死臭がひどいだのなんだの言われていた新連載。まあジャンプでサッカー漫画って鬼門ですからね。
で、読んでみての感想はというと、良い点もあるが悪い点の方が目立つ、といった感じです。
主人公バンバが暴力沙汰を起こした理由を数ページで過不足無く描いた点や、ゴラッソを決めたシーンの迫力などは良かったです。しかしシーンからシーンに移る時に違和感がありマンガを書くことに慣れていない感じがします。加えて、アオリで球世主とか書いちゃう、手紙を破るとタイトルが出てくる演出、「As the man is BANBA~その男バンバ~」という副題、頻出する「バンバッ!」という擬音、などそのセンスはちょっと真似できません。悪い意味で。
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『運命的ゴラッソ!!クレバーになりすぎた現代サッカーに革命が起きる――!!』
訂正します。このセンスは絶対に真似できません。良い意味で。どうやら俺はクレバーになりすぎたようだ。

・「みんなのこち亀 松井優征
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こんな形でネウロをまた目にするとは。今でも好きなマンガの一つなので嬉しい限り。やはりというか、ネウロ、というより松井先生は絵が少し変わりましたね。幾分丸くなったというか優しげになったというか。いつの日か毒全開の松井先生の新作を読める日が来るのでしょうか。ちなみにネウロこち亀を読んだことも無いと言っていますが、このあとこち亀の大ファンであることがすぐに分かります。このツンデレめ。

・「デモンズプラン」
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仕事を抜ける穴の分の金を払わないと辞めさせないと言うが十分な金を渡され、本当に金が欲しくてそんなことを言ったと思ってるのかと悲しみ、ついカッとなってしまう社長。なかなか良いシーンです。新連載では今一番期待しているので、このまま面白さをキープしていって欲しい。

火ノ丸相撲 第123番「弱き心に、強き意志」感想

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チヒロ対加納の試合を冷静に分析する栄華大付属の男、兵藤真磋人。素直に考えればチヒロの師匠ポジの男といったところでしょうが、何かしらひねってきそう。
彼が決勝でチヒロと当たるのは間違いないでしょう。そして恐らくバランスを取るためにチヒロが負ける……というのもありきたりなので、案外チヒロが勝つかもしれません。

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副将戦、ユーマの相手はモンゴルからの留学生・バト。本名はバトムンフ・バトバヤル。金盛主将によれば、力士ならバトが醸すただならぬ殺気を感じているはずとのこと。火ノ丸を初め、どす黒い感情もまた力になるのがこのマンガのいいところですが、その例で行けば強い殺気を放つバトも強さ十分と見えます。
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一方ここまでネームドキャラ相手には白星をあげられず、いいところなしの印象が強いユーマ。今までこれほどの重責を肩に乗せて戦ったことが無かったのでもの凄いガチガチに緊張し、戦う前から敗色濃厚に。
そんなユーマに、火ノ丸は「これはピンじゃなくてチャンスじゃねぇのか?」と言います。ユーマが小関部長にずっと感じていた負い目。その覆水を盆に返すためにも自分のことはいいからお前の相撲を精一杯取って来い、と火ノ丸。
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覆水を盆に返すのは今。ユーマは空手の呼吸法「息吹」で気を取り直し、小関に、火ノ丸に、相撲部に、借りを返せるこの時をずっと待っていたのだと心を滾らせます。といって震えが治まるわけではなく、それで震えるのならそういう俺をぶつけるしかないと開き直るのがユーマらしさを感じさせます。
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「言っとくケド僕、加納サンより強いからネ」
バトの爆弾発言。高校相撲No.2(だった)加納より強い……だと……?
もし本当にそうならチヒロより弱いユーマが勝てる相手ではありませんが、といって嘘をついてるふうでもないし、どういう意味なのか。

今週のジャンプ感想 2016年51号

・「デモンズプラン」
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新連載の第一話でここまで面白いと思ったのは鬼滅の刃以来です。ベルセルクエンバーミングを彷彿とさせる主人公二人の関係性が実に良い。こういった因縁があるだけで次の話を読むのがわくわくします。それだけに二人の対立の理由が弱いのが少し残念。ともかくこの完成度ならこの先も期待できます。失礼を承知で言うなら、今のスカスカのジャンプならそう打ち切られることもないでしょう。

・「ONE PIECE
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わざわざ説明するのも野暮なので詳しくは言いませんが、尾田っちならではの粋な見送り方です。ペンネーム尾田栄一郎というのも遊び心があって良い。

・「ブラッククローバー
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てっきり四大精霊の一つウンディーネの声かと思ってましたが、なんでもこの杖は小説版に出てきた人物が変化したものだとか。マンガだけを追ってる層には厳しいマンガ、それがブラッククローバー

・「トリコ」
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8年半に及ぶ連載に終止符が打たれました。友人と「釘パンチ!」とかやってたころが懐かしい。最終回は第一話を踏襲する流れできっちり畳み、宇宙に新たな食材を求めて終わりというトリコらしい〆方です。しまぶー長い間お疲れ様でした。

・「約束のネバーランド
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グラスに入った子ども、水面に映ったレイとノーマンの視線、そして映ったエマの顔は見えない、と見応えのあるカラーです。本編の方も、ずっと気になっていた脱出した後のことに触れられていて実に満足です。例え脱出できても、外で生きてゆけねば意味が無いですから。

・「左門くんはサモナー
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何だか知らんがとにかくよし!
沼先生ギャグセン高すぎ。

火ノ丸相撲 第122番「めざめ」感想

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負傷した三ツ橋に声をかける火ノ丸。俺の予想はまた外れました。全面的に認めるわけではないが、それでも気持ちはちゃんと伝わってる。火ノ丸の性格から考えても悪くない落としどころじゃないでしょうか。

大典太の突き「閃光」で「大包平」加納を早くも追い込むチヒロ。本家とのズレが独特のリズムを生んで、最早別の技ということですが、ぶっちゃけ加納本人の言う通り不意を衝かれただけでしょう。「閃光」をさばける加納がチヒロの突きをさばけないわけありません。しかしその不意が勝敗を分けるのが勝負の世界であり、突きを叩き落とそうとして前傾になった加納の動きをチヒロは見逃さず、逆に加納に素首落としを決めます。
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瞬間、負けが脳裏をよぎった加納が思い起こすのは天王寺のことでした。その自分とは比べ物にならないほどの相撲への努力と情熱に、加納は天王寺に勝てないことを悟り、ならば天王寺の次に強くあろうと考え、No.2であることが加納の誇りでもあるのでした。
追い込まれて一皮むけた加納は、がっぷり四つの状態に持っていきチヒロの動きを封じます。胸があった状態では機動力を生かせずチヒロお得意の投技もできません。得意技を封じられたチヒロはどうするのか。
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「國崎が」
「寄り!?」
ふつうに寄りました。
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コロコロ意見が変わって忙しい四方田主将。ずいぶん人間くさいというか。まあ相撲を初めて数ヶ月の奴よりは、相撲が好きじゃない(と勝手に思っている)けど何年も力士として努力してきた方に勝ってほしいというのが人情というものです。

組手も体格も互角。勝敗は二人の力士の意地と意地のぶつかり合いによって決まるのみ。
チヒロは今まで寄り切りが地味だからという理由で好きじゃなかったとのこと。でも今は違う。何故なら三ツ橋の背中は全然地味じゃなかったから。思い返せばチヒロが火ノ丸に最初に敗れた時の決まり手は投技でした。恐らくその時の悔しさと、加えてレスラーとしての意地がチヒロを投技にこだわらせたのでしょう。しかし三ツ橋の姿はそのこだわりを捨てさせるのに十分すぎるほどの気迫と覚悟を背負っていました。

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勝敗ははチヒロの寄り切り勝ち。
三ツ橋から力をもらったチヒロが三ツ橋と同じ寄り切りで勝ったのは必然と言えるでしょう。
自分と天王寺の間に壁を感じた加納に、壁なんて存在しないチヒロが勝ったのもまた必然。
しかしあまりにもあっけなく決着がついたせいでチヒロが強すぎるというよりは加納が弱いように感じてしまいます。何と言っても加納は「大包平」と呼ばれる高校相撲No.2の国宝なんですから、もっと強くて然るべきキャラであるはずです。もう一週ぐらい攻防が欲しかったというのが正直なところ。三ツ橋対首藤が意外な展開に加え熱い試合運びと実に面白かっただけに残念。次週からのユーマとモンゴルの試合に期待します。

BLUE GIANT SUPREME 第6話「AT LAST」感想

ドイツに来て初めてのライブ。遠く日本から離れたこの場所で、果たして大の音は通用するのか。

ジャズは国境を越えて自分に届いた。だからきっと……。そう思いながら大が吹く一曲目は、ユキノリが作った「ファーストノート」。がむしゃらに吹く大ですが、初めてのジャズに観客は戸惑い気持ちがついていきません。観客に音が届いていないことを感じ、こんな時玉田が、ユキノリがいてくてくれれば、と思う大。しかしそうじゃないだろと思い直し、自分は誰よりも自由だ、と大。迷いが無くなった大の音は観客の心に届き、大の最初のライブは見事成功するのでした。

 

やはりライブ回はいいですね。「画から音が聞こえる」というキャッチコピーは伊達ではありません。正直今回はあらすじを言葉にできなくてだいぶ端折ったので、是非読んでみてほしいです。観客たちのバラバラの反応も面白い。あと大が玉田とユキノリを求めるシーンには少し泣きそうになりました。

舟を編む 第六話「共振」感想

香具矢のような女性と付き合いたかった……ただそれだけの人生だった……。

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前回香具矢に恋文を渡した馬締は、返事があるのではと思い朝まで正座待機しますが香具矢はやって来ません。お前は中学生か。
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出かけようとすると意中の人とバッタリ。香具矢はなにか言いたげですが、馬締は慌てふためいてこれをスルー。お前は中学生だよ。
落ち込む馬締に、今日中にケジメをつけろと西岡は発破をかけます。

一方辞書編集部では、大渡海制作のかわりに申し渡された玄武学習国語辞典の編纂が問題に。時間も人手も足りない状況に、大部――巻数やページ数の多い辞書を一人で完成させた人もいる、と松本先生は言います。
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言海。明治時代の国語学者大槻文彦がその私財と持てる時間を全て投げうって完成させた、日本で初めての近代的な国語辞典、とのこと。
私は昔一人で同人誌を作って相当大変な思いをした経験がありますが、これはその比ではないでしょう。一体どれほどの難行だったのか、想像するだけで目を回しそうです。一ページ見るだけでも大槻文彦の凄まじい情熱が伝わってきます。
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何がそこまでさせたのかと問う西岡に、「業」というものかもしれない、と松本先生。
業。カルマ。宿命。自分の気持ちながら、しもし自分ではどうにもならない気持ち。人を突き動かすエネルギーこそが業だと私は思います。
どうにもならない思いに駆られ仕事をする、私たちも同じはずだと松本先生は言い、辞書編集部の面々は気を引き締め直します。

しかし大渡海作成を続ける条件は辞典の編纂一つではありません。西岡は自分が宣伝部に移動になることを皆に話します。
西岡と馬締がいれば安心だと思っていたのに、と零す松本先生。自分が大きく期待されていたことを知り、しかしその期待に応えられず歯噛みする西岡。西岡としては認められていたことが嬉しくもあり、しかし力になれないのが悔しくもあり、そんな職場を離れなければいけないのが悲しくもあり、複雑な気持ちでしょう。
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(西岡さんがいなくなったら会社との折衝も編集作業をまとめるのも……、全部僕一人で?)
その一方で大問題を抱えることになった馬締。全ての業務を一人でやることがそもそも激務であることに加えて、馬締には対外的な仕事が絶望的に向いていません。あらためて西岡の存在の大きさが際立ち、その消失に伴う穴の大きさが馬締にのしかかります。

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家に帰ってもうつろな馬締。今まではただ自分が好きな辞書編集という作業をやっていれば良かったですが、これからはそうもいきません。馬締の精神世界もまた、言葉の海から泥沼に変わり、辞書編集は以前とは違った意味で大変な仕事となりました。それはそれとして「みっちゃーんお湯ピーッて」と言うタケさんが可愛い。

馬締は自分の書棚から言海を取り出し、その中に込められた思いに思い馳せます。
思い出すのは松本先生の言葉。皆「業」としか呼べないものに突き動かされ辞書を作っているのだと考え、馬締は再び大渡海を作ることを決意します。そしてそのためにもけじめをつけると決め、自分の恋に決着をつけるために香具矢と相対します。
自分が昨日渡した恋文の返事が欲しいと言う馬締。果たして香具矢の答えは……
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「ごめん!」
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ククク……馬締くん!これで君も晴れて独り身の中身入りだ!なに、落ちこむことはない!我々がついてる!今年のクリスマスは一緒に過ごそうじゃないかハーハッハッハッハ!!!

夜、馬締の部屋に香具矢がやって来ました。どういうことだ……?馬締の恋は終わったはずでは……?
香具矢によれば、馬締に手紙を渡されて、ラブレターかと思ったけど文章が難しく確信が持てなかったとのこと。あぁ、ちゃんとラブレターかもと思ってたんですね。まるで思い至っていないのかと考えていました。この辺結構映画と違うので。
そして一晩悩んでも結論は出ず、思い切って馬締に聞こうとしたら馬締は逃げてしまい、香具矢も香具矢で思い悩んでいたのでした。
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「好きです」
「うん」
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「私も好きです」
香具矢のような女性と付き合いたかった……ただそれだけの人生だった……。
アニメを見てここまでダメージを受けたのは久々です。そもそも私が恋愛が主軸のアニメがそれほど好きじゃないというのもありますが、アニメの中の惚れた腫れたを見ていても現実味が薄すぎてあまり心が動かされません。あまりにかけ離れすぎていて自分と同じように捉えられないのです。しかし舟を編むはリアリティをもって物語を描いているので必然自分にはなぜ隣に誰もいないのかとか考えてしまい死にそうです。別にこの二人が嫌いというわけではありません。むしろ応援すべき素晴らしいカップルであるからこそそうなりたくてもなれなかった自分が浮き彫りになり……あああああああああああ!
よく「リア充爆発しろ」なんて言いますが、私はあの言葉嫌いです。何故ならそういうことを言う人の前で実際にリア充が爆発したら言った奴は嬉しくなるどころかドン引きするに決まっているからです。なので馬締は私の見えないところで爆発してくれ。

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響け!ユーフォニアム2 第七回「えきびるコンサート」感想

北宇治吹奏楽部は駅ビルコンサートに出場することになりました。全国大会のことを考えれば辞退したいところですが、滝先生の出れる機会は大切にした方がいいという意向で決まりました。これから先のことを見据えているのか、滝先生の指導者としての優秀さが際立ちます。
駅ビルの駅とは京都駅のことですが、京都駅で俺が思い出すのが「ガメラ3」です。劇中でガメラとイリスが盛大にごめんくださいした場所で、実際の大きさでは入りきらないと良く議論されたりします。

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久美子が課題を提出しに職員室に行くと、そこにはあすか先輩とその母親がおり、何やら揉めている様子。
しっかし本当に久美子は決定的な場面に出くわしますね。超高校級の家政婦とは久美子のことなんじゃなかろうか。

あすか先輩の母親の要求はあすか先輩を退部させてほしいというもの。部活動よりも受験勉強に専念すべき、というのが理由です。いわゆるモンペ。
滝先生も、あすか先輩本人の意志でなければ退部届は絶対に受け取らないと譲りません。
あすか先輩の母親はシングルマザーのようで、自分一人で育ててきたのだから娘の将来は自分が決めると言います。うーん、このモンペっぷり。
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こんなシリアスな場面でも胸に目がいってしまう男の悲しい性よ……。

あすか先輩は、自分は部活を辞めたくないと言いますが、それを聞いて激昂した母にビンタを食らわされます。
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「なんで私の言うことが聞けないの!!あんな楽器吹いてるのも、私への当てつけなんでしょう?そんなに私のこと苦しめたいの?」
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「あ……あすか……ごめんなさい……私、また……カッとしちゃって」
おかんあかん。
まるで毒親の見本のようですな。あすか先輩の母親はあすか先輩にべったり依存してて離れられないのでしょう。自分の意にそぐわなかったら平気で手をあげるけど、そのくせ嫌われて離れられるのを極端に恐れるからすぐに謝る。あすか先輩の複雑怪奇な精神構造はその家庭環境に起因しているようです。

この騒動は瞬く間に吹奏楽部に広まり、あすか先輩が退部するのではという心配が部員を支配します。
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「お!やってるねぇ!」
しかしそんな心配事を吹き飛ばすように、翌日あっさりとあすか先輩は現れました。
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「心配かけてごめんね。大丈夫。みんなに迷惑かけるようなことしないから」
視聴者目線から見たらあすか先輩ってガチサイコパスで薄気味悪い存在ですが、一部員からしたら明るく面倒見がよく統率力があり演奏も文句なしの練習の虫という文句のつけようのない先輩ですから、このように慕われているのも当然と言えます。

部長と香織先輩もまた心配で声をかけますが、あすか先輩はそんなに心配しなくても大丈夫と言い、迷惑はかけないと繰り返します。全く自分のことを話そうとしません。思うに、あすか先輩はこれまで誰にも頼らずに生きてきたんじゃないでしょうか。そして不幸にもそれが出来るだけの才覚が彼女にはあり、結果さらに心の殻を強固にしてしまった。誰にも頼らず、相談せず、本当の心は隠したまま、今まで生きてきたのでは、と思います。
そしてその日からあすか先輩は部活から姿を消したのでした。

一週間経ち、あすか先輩は未だに部活に現れません。同じ学年の部長でも連絡取れないということは、学校にも来ていない様子。そこに畳み掛けるように、教頭先生があすか先輩の母親から退部届を受理したという噂が流れ、吹奏楽部に激震が走ります。部員としても演奏者としても屋台骨であるあすか先輩の離脱ですから、動揺が大きいのもむべなるかな。合奏練習にも力が入りません。
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「なんですか?これ」
これだよこれ。やっぱ響け!ユーフォニアムと言えばこれだよな。みんなずいぶん上手くなってもう聞けないかと思っていましたが、また聞けて非常に満足です。

浮足立つ部員をどうにかしようと、部長がみんなに聞いてほしいと言って話し始めます。
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話に割って入ろうとする後輩を黙らせる香織先輩。こんなふうに香織先輩に「半年ROMってて♡」と言われたら一も二もなくOKしてしまいそうです。

部長は、今まであすかは特別だと思って頼ってしまっていたが、今度は自分たちがあすかを支える番で、そのためにこれからも付いてきてほしい、と部員に頭を下げます。そしてかねてから打診されていた駅ビルコンサートでのバリサクソロを引き受けます。

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駅ビルコンサート当日、あすか先輩は何事も無かったかのように現れます。
そして後ろには例のカップルが。もはやウォーリーを探せみたいになってる。

来れたんだね、と言う香織先輩に、迷惑はかけないって言ったでしょ?とあすか先輩。どうもあすか先輩は自己評価が低いようですね。自分がいなくなって部活にどれだけ影響を与えたのか考えつかない様子。多分彼女の中では自分がいなくなったことは練習から演奏者が一人消えた程度の認識なのでしょう。自分がどれほど北宇治吹奏楽部にとって大事な人間なのか考えたこともないのでしょうね。

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そして演奏本番、部長は見事ソロパートをやりきり、観客からあたたかい拍手をもらうのでした。
嫌な言い方をすれば、あすか先輩の一時離脱は結果的に部長の成長を促し、あすか先輩に依存していた部の空気を自覚出来て部にとって良かったと思います。
しかしそれはあすか先輩が戻ってきてこそのこと。実際あすか先輩の問題はまだ解決せず、吹奏楽部を続けられるのかもまだわかりません。
それに加え久美子の姉の問題と、不穏な空気を残しつつ次週に続きます。