Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第九話「剣の神髄」感想

丹翡ちゃんイジメ、続く。

前回鬼鳥の正体が悪名高い大盗賊である「掠風竊塵」であると知った殤と丹翡。
元々狩雲霄らは「世間知らずのお嬢様から天刑劍を奪おうぜ!」と鬼鳥に誘われて一向に加わったのでした。
刑亥によれば、天刑劍を魔界の皇子に献上すれば人間界では使い切れぬほどの財貨を貰うことが出来るとのこと。もしサンボルに二期があるのなら魔界が舞台になるのでしょうか。
そうとは知らずに凜雪鴉に頼り、しかもよりにもよって義士と呼んでいたのですから、そりゃあ蔑天骸にも笑われましょうなあ。
しかし丹翡が鬼鳥を疑わなかったのも仕方のない事です。あの時点で彼女が頼れる者は他に何もなかったのですから。

皆さんを信じていたのに、と嘆く丹翡。
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殺無生「そもそも最初に信じた者を間違えたのだ」
丹翡 (´;ω;`)
刑亥「そうやって涙も枯れた頃には、魑翼の餌になっているだろう」
丹翡 (´;ω;`)
お前ら寄ってたかって丹翡ちゃんが何したって言うんだ!そこに並べ!やっちゃってください殤さん!
あ、天刑劍の鍔は鬼鳥によって偽物とすり替えられていました。すり替えておいたのさ!

一方丹翡のことが気にかかる捲殘雲は、仁義にもとる行いをして誇りは傷つかないのかと狩雲霄に詰め寄ります。
それに対し狩雲霄は、誇りとは命と引き換えに手に入れるものであり、生きて誇らしげにする者には必ず秘めた恥がある。手際よく恥を隠したものだけが武林に名を残すことが出来ると語ります。

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「でも、俺はあんたのこと、本物の英雄好漢だと……」
青い。実に青い。しかしその青臭さが捲殘雲の魅力です。自身が信じた理想と、それとはかけ離れた現実のギャップに、捲殘雲はひとり苦しむのでした。

丹翡は人を疑わなかった自分を恥じ、外の世界に出るべきではなかったと、殤を巻き込んでしまったことを謝ります。その言葉に殤は、
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「騙されることを悔やんでもいいが、正しくあろうとしたことは悔やむんじゃない」
さすが主人公!言うことが違う。まあサンボルの主人公は凜雪鴉なんですけどね。ぶっちーのことだから、まどマギが実際はほむらが主人公であったように、サンボルの主人公は殤と考えて問題ないでしょう。

蔑天骸は剣のコレクターでした。ますますギルガメッシュっぽい。
なぜそこまで剣に執着を見せるのか、鬼鳥に問われ蔑天骸は答えます。気分はFate/Zeroの聖杯問答。
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「この世において、剣こそは力の証。何よりも揺るぎない真理の在処。生と死を分かつ、絶対的な真実を形にしたものだ。故に俺は、至高の剣を、最強の剣を求め欲する。富も、栄華も、権力も、全て浮世の泡沫にすぎん。滅びの力をこの手に掴む、圧倒的な喜悦に比べればな」
か、かっこいい……。勢い余って全部文字に起こしてしまった。この圧倒的なカリスマが、玄鬼宗の長たる所以でしょう。
聖杯問答なので、鬼鳥もなぜ盗みにこだわるのかを蔑天骸に問われます。で、答えて曰く、
「あえて言葉にするのならば、覇者の気風とでも言う他ないかな」
はてさて、どういう意味でしょうか?真意を問いただす前に殺無生が割って入ったので答えは次回に持ち越されました。

いよいよ約束の時。鬼鳥の首を狙う殺無生ですが、その前に優先すべきは蔑天骸だと言います。
「俺は貴様に問わねばならんことがある」
「なんなりと承ろう」
「かたじけない。……では、剣を抜いてもらおうか!」
意外と礼儀正しい蔑天骸にこれまた礼儀正しくかえす殺無生。それを見て爆笑する俺
しかしここで蔑天骸VS殺無生の好カードとは。作中屈指の実力者同士の闘い、否が応でもテンションが上がるっ!
「鳴鳳決殺の剣に言葉は無用。その剣、その天命の在処について、命を賭けて問い質す!」
「剣の神髄を問われては、俺もまた応じなければ信条を見失うというものだ……!」
なんでこいつらこんな格好いいんだ……。殺無生はともかくとして、意外にも蔑天骸もまたアツい男でした。
さて、そんな蔑天骸の構えを見た殺無生は、
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ヘブン状態になりました。
強者と知るや斬ってみたくなる男、殺無生。自分より蔑天骸の方が強いことを知り狂喜します。
今週のダンガンロンパ3絶望編の狛枝も、カムクライズルに会った時こんな感じでしたね。

「九手で詰みか!」

相変わらず殺陣が凄まじい。毎週このクオリティを維持しているのは本当に凄いです。

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「鳴鳳決殺」殺無生、散る!
負けるのが分かっていてなぜ挑んだのか、尋ねる蔑天骸に殺無生は
「俺の剣の道は必然の探求。決して勝てぬと悟った以上は、実際に負けてみなければ気がすまぬ……」
か、かっこいい……。敵味方関係無く、一本芯の通ったキャラは非常に魅了的。

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「貴様とて、冥土の旅路は避けられぬ。待っている……ぞ」
ストーカーここに極まれり。結局鬼鳥に盗まれたものってなんだったんでしょうか。

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「その骸は、魑翼に喰わせるな。丁重に荼毘に付すように。俺にとって強い戦士こそ真理…勇者こそ友であり尊敬する者!!俺はお前のことを永遠に記憶の片隅に留めておくであろう鳴鳳決殺。シャボン玉のように華麗ではかなき男よ」なんて蔑天骸は言ってない

それ程までに強ければ、まっとうな手段でも頂に立てたはず。「武林の番付に興味はないと?」と聞く鬼鳥に、
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「証など立てるまでもなく、我が剣は天下に無双。あえて確かめる必要がどこにある!」
蔑天骸の株価の上昇が留まるところを知らない!俺が最強なのは天の理、地の自明也!
突然乱入してきた敵にも礼を尽くし、これを一対一で真っ向から打ち倒す。蔑天骸はとても気持ちのいい悪役です。
蔑天骸と殺無生はサンボルが終わったら当ブログで紹介したいと思います。

激闘終わって鬼鳥が殤の剣を確認すると、剣は文字通りのなまくら刀でした。そしてその後ろには、
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この殤不患 容赦せん!
しかしジョジョ好きだね俺。

次回 Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第一〇話「盗賊の矜恃」。
「嘘と誠の境目に、踊る道化の影法師。張り巡らせた罠の中、白い鴉が冷たく笑う」