火ノ丸相撲 第119番「勝利の土俵」感想

前回のジャンプの感想で火ノ丸相撲の感想だけ長くなって思ったのですが、準決勝・決勝とここから先火ノ丸相撲は熱い展開が続くだろうし、必然言いたいことも多くなるだろうということで、火ノ丸相撲だけは個別に感想を書くことにしました。個人的に今のジャンプで一番好きなマンガという理由も大きいですが。

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前回、史上稀に見る卑劣な作戦で首藤の冷静さを奪った三ツ橋。しかしそれでもまだ勝つには足りないと、猫だましを使って一瞬の隙をつくり、県予選では読まれて不発に終わった八艘飛びを成功させます。
ちなみに猫だましを三ツ橋に授けたのは桐仁。桐仁の考えていた後ろに飛ぶという作戦は使われず、三ツ橋の考えた作戦だけで勝ったら監督(笑)になっていたので、授けた策が勝利に貢献して良かった。
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県予選で俺が思っていたことを金盛が代弁してくれました。
八艘飛びを決めた三ツ橋。相手の真後ろに立ちしかも相手は土俵際というこれ以上ない展開とは言え、体格差は依然絶望的です。さあ、どうするのか。
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これまでの稽古で、三ツ橋には首藤を持ち上げるほどの体が出来上がっていました。ここ最近、心技体のうち心ばかり取り上げられていたので体が決め手になるのは嬉しい展開です。「…もう奇策なんていらねえよ。なあ、ホタル…!」というチヒロのセリフも熱い。
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しかし相手も全国王者の一角、三ツ橋の廻しに手をかけ負けじと抵抗。最後は三ツ橋の足掛けで勝負は土俵の外までもつれ込みましたが、判定で三ツ橋が勝利をもぎ取りました。
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三ツ橋の覚悟を感じ取ったのか、そこに最早罵倒の声はなく、大番狂わせをやってのけた小さな力士に絶え間ない喝采が送られるのでした。奇策→奇策→正攻法というのが良かったのでしょう。前回あれだけ観客を敵に回してどうなるのかと思いましたが、いい落とし所だと思います。なんだかんだ言っても土俵際の攻防の熱さで観客の手のひら返しも気にならなくなるのだから、我ながらチョロい読者です。
しかし喜ぶダチ校メンバーの中に火ノ丸がいないのが実に不穏です。考えるに、火ノ丸は三ツ橋の相撲ではなく、自分を捨てるようなやり方に怒るんじゃないでしょうか。観客が三ツ橋を認めたことで禍根が残らなかったから良かったものの、そうでなければ三ツ橋は一生相撲を汚した男というレッテルを張られていたでしょうし、そんな事態を義理人情に厚い火ノ丸は望まないでしょう。
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あ、ダメそう。