舟を編む 第二話「逢着」感想

荒木に見初められ、辞書編集部に移動になった馬締。馬締側の描写が特にないのでわからないのですが、やはり馬締本人も営業は向かないと思っていて移動は渡りに船だったんでしょうか。あと給料がどれぐらい変わるのかも気になる。
さて、めでたく移動になった馬締のために、歓迎会が行われます。趣味は何かと西岡に問われ、馬締が答えたのは、
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「強いて言えば、エスカレーターに乗る人を見ることです」
「楽しいの?それ」
楽しいの?それ。

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「辞書は言葉の海を渡る舟です。言葉がなければ自分の思いを表現することも相手の気持ちを深く受け止めることもできません。人は辞書という舟に乗り、最もふさわしい言葉を探して暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。言葉は光なのです。しかし刻々と変化する世界でうまく言葉を見つけられず、行き場を失った感情を胸に葛藤の日々を送る人もいる。そういう人々にも安心して乗ってもらえるような舟。それが我々が作ろうとしている辞書。大きな海を渡ると書いて『大渡海』です。言葉の大海原を渡る一艘の舟を編む。新しい言葉を積極的に取り入れ簡潔かつ明瞭な語釈を心掛けましょう。『大渡海』を人々の思いに寄り添う辞書にするために」
舟を編む全体のテーマとも言えるセリフ。さすが国語学者だけあって、実に明瞭で分かりやすく、それでいて語彙に溢れたセリフです。

次の日、馬締は荒木から辞書編集部での仕事を教わります。曰く、辞書作りは言葉集めから始まるとのこと。日常に溢れるあらゆる言葉を用例採集カードに書き溜めていくのがまず一つ。二つ目は見出しの選定。採集した言葉が「広辞苑」「大辞林」「大辞泉」に載っているかを確認し、それによって『大渡海』の見出しを決めていくわけです。もうこの時点でかなり大変そう……。余程の情熱がないとやってられないでしょう。不真面目ながらも仕事を続けられる西岡って案外我慢強いのか。
そして何と言っても驚くべきは、辞書の完成まで少なくとも10年はかかるという事実!10年もひたすら辞書辞書辞書。気の遠くなるような話です。それを聞いて奮起する馬締はどこかおかしい。
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「これが松本先生と辞書編集部で用例採集してきた言葉だ。現在90万語以上ある。まだ増えるぞ」
90万語……しかもまだ増える……。そこから23万語選び出し、そこに一つ一つ語釈をつけていく……。壮大というか果てがないというか。
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『無理難題』、『無謀』。芸が細かい。
一見辞書は言葉の羅列だが、その実そこには編集者の個性が色濃く出ると荒木は説き、良い辞書を、そして君だからこそ出来る辞書を作ってくれと、馬締に檄を飛ばします。馬締は辞書作りの広大さとその凄まじさに触れ、その仕事に力を傾けたいと思いを新たにするのでした。

馬締は辞書編集部に果たして自分が馴染むことが出来るのか、チームプレーをすることが出来るのか思い悩みます。それを聞いたタケさんは、みっちゃん(馬締)は編集部のみんなと仲良くなって良い辞書を作りたいんだね、と返します。
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「何で分かるんですか?」
「そこはほら、みっちゃんと私はつうかあの仲だから」
全然関係ないですが、歯抜けの笑顔で私が思い出すのは細田守監督の映画サマーウォーズに出てくるおばあちゃんです。
どっかで聞いた話なんですがソースが無いので話半分で聞いて欲しいのですが、あの印象的なおばあちゃんの歯抜け笑顔は細田監督が周囲に反対されたにも関わらず歯抜けにしたそうで、その理由がその方が絶対可愛いから。後出しジャンケンみたいですが、私もそう思います。オメガモンのデザインでも反対されたにも関わらず押し通したって言うし、細部のセンスが際立つ人ですね細田監督は。

さて、タケさんは自分とみっちゃんと同じように頼ったり頼られたりすればいい、と説き、馬締は少し肩の荷が下りるのでした。こういうふうに相談出来る人がいて、しかも得難い答えが返ってくる環境っていいですね。馬締は恵まれています。

夜、馬締がトラさんの声を追って二階の窓の外に出ると、そこには……、
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「へぇ、うれしい。迎えに来てくれたんだ」
なんと美女が佇んでいました。馬締はそのあまりの美しさからか、はたまた予期しない出会いからか、卒倒してしまいます。名前は林香具矢。次回わかりますが、タケさんの孫娘。CVは坂本真綾舟を編むのメインヒロインです。ちなみに他のヒロイン候補タケさん西岡です。嘘じゃないってば。
名前が香具矢だし、かぐや姫を意識しての演出でしょう。
いや~、しかし最高ですね。何がいいってまずそのキャラデザ。アニメはどうしても若者の物語が多くなりがちなので、こういった落ち着いた大人の女性がメインヒロインなのはそれだけで貴重です。あと個人的にはクール系が好きなので。
映画では宮崎あおいさんが演じており、それはそれは素晴らしかったのですが、彼女は少し幼さが残っているどっちかというとかわいい系なので、私はアニメのほうが好みです。
そして声が坂本真綾なのもいい。ノイタミナ坂本真綾ヒロインだと四畳半神話大系の明石さんを思い出します。視聴当時はなんでこんな可愛い人が俺の近くにはいないんだと悶絶したものです。ちなみに私が一番好きな坂本真綾ヒロインは明石さんですが、次いで好きなのは劇場版ラーゼフォンの中学時代の美嶋遥です。我ながらニッチだな。

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こんな美女と同じ屋根の下だなんて、馬締はかなり恵まれています。

今週のジャンプ感想 2016年47号

・「ONE PIECE
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ビッグ・マムはどういったわけか天候を従えることが出来るとのこと。強いとかどうとかの次元を超えて最早インチキのレベルです。どれほど強大な海賊団でも、船を沈められては太刀打ちのしようがありません。海上での戦いにおいてはまさに無敵、海賊にとって最悪の能力と言えるでしょう。

・「火ノ丸相撲
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お前は凄ぇよ……ホタル……。いやマジで。
ジャンプを読んで驚きのあまり声を上げたのは久しぶりです。いや、逆ですね。驚きのあまり絶句しました。つーかドン引きしました。川田先生には全幅の信頼を寄せているので私の予想を超えてくれると思っていましたが、それでも奈落の底に続く道、なんて大袈裟なんじゃないかともまた思っていました。結果見事に予想の遥か上を行かれました。
桐仁の思惑すら超えて、三ツ橋が選んだ地獄の道。もともと三ツ橋は火ノ丸に憧れて相撲部に入ったのに、その憧れを捨て、自分の評価をどん底にまで堕として、周りの人間全てを敵にして、それでもチームの勝利を手にしようとする三ツ橋からは狂気を感じずにはいられません。ふつうそこまでするか?覚悟と呼ぶにはあまりにも邪道で、到底スポーツ漫画の主人公サイドがやることではない。しかしだからこそ面白い展開です。
真田が「死んでも勝ちたかった」と言っていましたが、そうは言っても捨てられるものと捨てられないものがあるでしょう。その一線を超え勝利のために全てを捨てることが出来る人間が、果たしてどれほどいることか。そしてそれをやってのけた三ツ橋は、ある意味火ノ丸と同等か、それ以上のメンタルを持っています。
しかし、これで勝ったとしても絶対に周りは納得しません。以前三ツ橋は、自分の勝利が火ノ丸の夢を汚してしまうんじゃないかと悩んでいましたが、まさにその通りです。これではチーム全体に、ひいては火ノ丸にもケチが付いてしまうんじゃないでしょうか。まあ火ノ丸ならそんなケチすら実力で黙らせてしまうでしょうが。
三ツ橋に対しチームの為に選び磨いた相撲が誇らしいと言っていた火ノ丸が、こんな相撲事態を侮辱するようなやり方にどう反応するのかも気になるところ。これが団体戦であることを考えると、チーム全体に後の試合に響くような不和が出来るようなことはないと思いますが。
まだ三ツ橋が勝ったとは決まってませんが、試合後の展開がどうなるのか、川田先生の腕の見せどころです。

・「約束のネバーランド
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シスターのどことなくジョジョっぽい動きに大爆笑。ふつうに子どもたちに見られているのもポイント高い。シスターの登場からこっち、ずいぶんと面白くなりました。
このマンガもだいぶ掲載順が安定してきました。これならそうそう打ち切られることもないでしょう。まあ他に候補はあるし。

・「ブラッククローバー
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また乱入か……とは俺はそんなに思いませんでした。もうちょっと溜めてもいいとは思いますが、ブラクロはファンタジーバトルマンガだから結局のところ戦ってナンボだし、スピーディーな展開を歓迎する人も多いでしょう。あとは四つ巴をうまく描けるかどうか。しかし八輝将の奴はホントにカズレーザーそっくりだな。
来週から二号連続表紙&巻頭カラーということですが、ジャンプも余程次の看板に困ってるんだろうな……。

・「鬼滅の刃」
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2話以来初めてのCカラーじゃないでしょうか。鬼滅の刃も軌道に乗ってきたようで、ファンとしては嬉しいかぎり。
多分父親の方ではなく息子が十二鬼月なんでしょうね。で、炭治郎のもとに義勇が助けに来ると。いや、伊之助のほうか?
善逸は命は助かるのでしょうが、鬼殺隊を続けられるんでしょうか。ここで一旦フェードアウトかもしれない。

・「左門くんはサモナー
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とりあえず左門くんはサモナーのグッズ第一号は「宰相のOTAKUネクタイ」に決定ですね。
メドゥーサに対し左門がガーゴイルを召喚する展開は、対策さえ立てればどうにかなるメガテンを想起させてグッド。

BLUE GIANT SUPREME 第4話「DEEP NIGHT」感想

前回話しかけてきた男、クリスに、自分はサックスで世界一のプレイヤーになりにドイツに来たと大は話します。
それを聞いて何か思うところのあるクリス。資金が十分にない大に、自分のアパートで暮らさないかと提案。え、もしかして……こいつゲイなの?
とんとん拍子で話は決まり、大はクリスのアパートで暮らすことに。ジャズが好きなのかと思えば、大がジャズをやると聞いて「ジャズってまだあったんだ」と言う始末。
にも関わらずクリスは大が吹けるバーを一生懸命探してくれたりと、何故そこまでしてくれるのかまるで分からない。
大は自分の音を聴いてすらないのに、どうしてそんなに優しく、助けようとしてくれるのかクリスに問いかけます。それに対してクリスは「普通だよ」と返します。
「優しくもないし、助けようとも思ってない。普通のこと、それだけ。きっとみんな同じことを思うよ。いつか世界一になる奴と、知り合えたらステキだなって」
それを聞いて大は、いつかきっと音で返すと力強く言うのでした。
クリスは大が吹けるバーを見つけますが、そこはかなり小さく10人入るのがやっとといった場所。ここが大の新たなスタートライン、ここから大のサックスプレイヤーへの道が始まります。

というわけで新キャラ・クリスが物語に加わりました。大学生だそうですが、まるで見えません。下手したら30くらいに見えます。いきなり現れ、大の力になるクリスという存在には少々、いや、かなりご都合主義を感じます。いくらなんでも見ず知らずの人間にそこまでするのは考えにくいを通り越して異常です。

しかしクリスの普通だよ、というセリフでちょっとだけクリスのことが理解できました。つまり大を手伝うのは慈善事業でもなんでもなく、要は投資と変わらないということです。企業が別の企業や個人に投資するのと同じように、憐れみでも同情でもなく、ただ自分の人生をより豊かにするための行動として大に手を貸したに過ぎないのです。そういう意味では確かに普通のことかもしれません。だからと言って大が感謝しなくてもいいという訳ではもちろんありません。あと大学生って基本暇だし人ひとりの夢を応援するくらいの余裕はあるんじゃないすかね。そうは言ってもやはりまるで知らない大にそこまでの価値を見出すのはちょっと納得いきませんが。クリスが余程の慧眼なのか、大が凄い奴だと思わせる何かを持っているのか。そう言えば三輪さんは大が世界一になるのを疑ったことは無いって言ってたし、照れもせず臆しもせず世界一になるという大の言葉に、クリスは感じるところがあったのかもしれません。
新章に入って人前で演奏したのはまだ1度だけ(しかもリスナーはおばあちゃんひとり)なので、新しい場での大のサックス描写、そしてドイツの客の反応はどうなのか、次回が楽しみです。

ゼーガペインADP 感想

だまされた……(良い意味でも悪い意味でも)。

ゼーガペイン10周年プロジェクトのトリを飾る、ゼーガペインADP」(以下ADP)を観てきました。本当は公開初日に観たんですが、あまり筆が乗らず感想を書くのが遅れました。

来場者特典の色紙はシズノ先輩でした。本当はリョーコが欲しかったですが、二周目の特典なので断念。しかしカノウ・トオル(映画部部長の天パ)の色紙をもらった人は悲惨ですね……。他に誰かいなかったのか。

まず大前提としてADPはTV版の総集編ではありません。後で詳しく述べますが、ADPは完全にファン、それも熱心なファン向けの作品です。なので新規が観ても意味不明、とまでいかなくてもあまり楽しめないでしょう。ですので「ゼーガペインは気になるけど2クールは長いし、劇場版見てみよう」なんて考えてる人は観ないほうがいいです。

熱心なファン向けと書きましたが、むしろ熱心なファンほどADPは合わない可能性もあります。私はどちらかというと熱心なファン側で、そんな私からするとADPは良いところもありましたが悪いところの方が目立ってしょうがなかったです。

ではここからはネタバレありで、詳しく語っていきます。

総集編ではない

ADPは総集編ではありません。では一体何なのかというと、恥ずかしい話後半になるまで気づかなかったのですが、ADPはTV版の前日譚であり、言うならば「ゼーガペイン・ゼロ」にあたります。

「「ゼーガペインADP」は「ゼーガペイン・ゼロ」だったんだよ!」

「な……なんだって――!!」

いや、ヒントは多かったんですよ。シズノ先輩は中々出てこないし、キョウはなぜか最初からセレブラントだし、ゼーガペインは影も形もないし。

それもそのはず、ADPはソゴル・キョウが記憶と人格を失う前の話なんですから。

つまりADP→TV版と繋がるわけです。ここまで書けば察しのいい人ならわかると思いますが、ADPは最後、キョウが月面で自爆して幕が下ります。なんとも救いのない……。なのでTV版を見ていない人にとってはこれ単体ではバッドエンドの物語としか映りません。つまりADPを観て十全に楽しむにはTV版の記憶が絶対必要ということです。

私がようやくこれが前日譚だと気づいたのは、TV版でも描かれた、キョウがイェルにミサキ・シズノという名前を与え、キスをするシーンです。それまでは本当にずーっと総集編だと思っていました。

ADPの本編を簡単にまとめると、舞浜のループ(水泳部のみんなと仲直りしてまた戻っての繰り返し)と並行してまだ存在していなかったゼーガペインが完成し、キョウがシズノと初めて出会い、最後は月面上のジフェイタスでガルズオルムと戦いキョウがアルティールとともに自爆して幕引き、という感じです。

ループ部分はTV版の使い回しで、しかも結構繰り返されます。ファンである私からしても見たことのある部分を何度も繰り返されるのは辟易しました。

そもそも何故私含む多くの人が総集編だと勘違いしていたのか。

まず公式から「TVシリーズを再編集&新規カットを加え、新解釈の内容となります」という説明がなされました。この時点でフツーに総集編だと思います。新解釈というのも2クールという長い作品をまとめるにあたって新しい何かしらの定義付けを行ったのだろうと考えておりました。加えて、こちらを御覧ください。


ゼーガペインADP 劇場特報

キョウとリョーコに焦点を絞った映像で、TV版の印象的なシーンやセリフが多く見られます。これ見て総集編だと思わないほうが嘘というものでしょう。しかしADPは前述の通り前日譚なので、リョーコはセレブラントにはならないし必然的にロストもしないしシマのオリジナルももちろん出てこないし「ミテイルセカイヲシンジルナ」のシーンもないしリョーコがシンを看取るシーンもないしリョーコと花火を見るシーンもないしでこの特報の映像はほとんどADPでは使われていません。つまり嘘っぱちです。まあこれも仕込みの一種なのでしょう。このあとに配信された本予告ではそういったことはありませんでした。まあ本予告も一番大事なキョウとシズノ先輩の別れを結構見せてて今見ると「うーん」という感じですが。

しかし、既存映像を使いまわしてはいるけど総集編ではない、というのは、物語開始時点で既に何度もループしており、同じ時間を繰り返すという設定を持つゼーガペインだからこそ出来ることとも言えるでしょう。

良かった点

・前日譚だとは思っていなかった

何度も言いますが、観るまで総集編だとずっと思っていましたので、前日譚だったのには良い意味で驚かされました。恐らくこれは意図的に伏せられていたのでしょう。……と思っていたのですが、ADPの最初の企画名はそのものズバリ「ゼーガペイン・ゼロ」だったらしく、知ってた人は知ってたんじゃないでしょうか。

・新規カットが多い

新規カットは本当に多かったです。あの花やスタードライバーの劇場版で訓練されている私は、新規カットがほとんどないことも覚悟していましたので、これは嬉しい誤算でした。大体6~7割ぐらいは新規カットでした。もうちょっと頑張れば完全新作でも行けたんじゃないか、というぐらい多い。

・アルティールの作画が凄い

新規カットで一番恩恵を受けたのはやはりアルティールのCGでしょう。中でもアルティールが初めて大地に立つシーンは鳥肌モノです。細かいディティールまでびっしり描写されており、CGの進歩を感じました。

・敵ロボットのバリエーションが増えた

TV版ではコピペされた戦闘機ばかりでしたが、ADPではTV版よりもバリエーション豊かになっています。

・妹がかわいい

TV版最終話で話題をかっさらっていったとかいってないとか言われるキョウの妹ですが、ADPでは結構出番が多い。下手したらリョーコよりも多いかもしれない。そしてその一挙手一投足は中々にかわいいです。キョウはこんな妹をもてて幸せだなー、なんて思っていたら、妹は幻体としても存在しない、完全な死者でした。オーマイゴッド。じゃあキョウが見ていたものは一体なんだったのかという話。単なるプログラムのようなものなんでしょうか。

・新キャラがかわいい

水泳部の先輩、幼女AI、別の艦のバイザーをしてる艦長と、女性の新キャラは皆かわいかったです。校長?ああそんなのいたね。驚いたのは妹が言っていた先輩というのはシズノ先輩のことではなく昔の水泳部の先輩のことだったこと。キョウは彼女のことが好きだったんでしょうか。幼女AIもなかなかのあざとさを持っていたのですが、キョウが妹と母親の真実を知ったのと同時に消えてしまいました。何故だ。

・TV版では描かれなかったキャラの過去が知れる

TV版では既にロストしており、名前だけだったカノウ・トオルと、ハヤセの恋人であるツムラ・サチコがいかにしてロストしたのかが知れて良かったです。あとあまり良い印象のないクロシオ先輩とイリエ先輩がゼーガを降りた時の詳細や、クラゲ先生が実は量子サーバの研究者であり記憶を意図的に消してもらったことといった、それぞれの過去が知れるのは面白かったです。

・シズノ先輩の気持ちが良く分かる

ADPではキョウとシズノ先輩の出会いから最初の別れまで描いているので、シズノ先輩がキョウを失った時どれほど辛かったのかが良く伝わってきました。あの別れのシーンをスクリーンで観れただけでも、観た価値があると思います。

悪かった点

 ・ループを繰り返し過ぎ

三回ぐらいメドレーやって始業式に戻ってループという流れを見せられるし、毎回同じことを言う妹(伏線でしたが)など、同じ映像を何度も見せられるのは見ているこっちが辛くなります。エンドレスエイトがほんのちょっとだけ頭をよぎりました。ほんのちょっとだけね。意外にもTV版はループ描写は少ないんですよね。劇中では一回しかループしませんので。

・新キャラの必要性

良かった点で新キャラがかわいかったと言いましたが、その必要性ははっきり言って感じませんでした。果たして本当にこの人達は必要だったのか?という疑問は晴れません。中でも新しい復元者(調べたらパチスロのキャラクターのようですが)はやられ役のために出したようにしか見えませんし、実際そうなのでしょう。カノウ・トオルも意味深なことを言う割にあっさり退場と、あまり見せ場らしい見せ場はありませんでした。

・キョウのキャラクター

個人的に一番の問題点。確か記憶と人格を失う前のキョウはもっとナイーブで、話を聞く限り後ろ向きな性格だったと記憶しているのですが、ADPのキョウはとてもそうには見えません。TV版キョウと全く変わらないような気がします。そのせいでキョウがいきなりシズノ先輩にキスするのには違和感がありました。またこのキョウが「ミテイルセカイヲシンジルナ」とメッセージを残すとも考えられません。あれはもっと前のキョウのメッセージだったのでしょうか。

・ぶっちゃけ観なくてもだいたい分かる

ADPがゼーガペイン・ゼロであることはもう言いましたが、正直ADPはTV版視聴者が十分に補完可能な内容です。何故なら大事な場面は全てTV版で描かれているから。ADPはそれにちょっと肉付けしただけです。キョウの前のループはこんな感じだったんだろうなあ、と考えていたものはさしてADPと変りないはずです。ADPはそういった想像の余地を奪ったとも言えるし、あるいは映像化してくれたとも言えるので、一概に悪かった点とも言えませんが、個人的にはマイナスです。

・構成の雑さ

前述したようにループを何度も繰り返すのですが、それはあまりうまい構成とは言えません。また、特にひどいと思ったのはキョウがシズノ先輩に夏祭りを説明するシーン。いきなり場面が変わってTV版でも流れた「and you」がかかり、これまたTV版と同じそれぞれの浴衣姿がスライドショーのように流れるのにはがっかりしました。もうちょっと頑張れよ!というか場面転換がいきなり過ぎて何事かと思ったわ。あと個人的にはメドレーのシーンはTV版のBGMのほうが良かったと思います。

気になった点

ゼーガペインが完成されるまでどうやって戦っていたのか

これについては描かれていましたね。ゼーガペインが出来るまではゼーガファイターと呼ばれる無人戦闘機で戦っていたとのこと。……本気でこのネーミングはどうにかならなかったのでしょうか。ゼーガペインで是我痛と一つの言葉なのに、ゼーガだけ抜き出すのはちょっと納得いきません。まあ細かいことなんですけどね。

・ループするたびに衰退するテクノロジー

最初キョウのケータイは端末すらないARによるものだったのに、ループするたびに退化し最終的にはTV版のケータイになり、ペインオブゼーガも最初はVRによる操作だったのがループ後にはHMDと普通のコントローラーになるという、何故かループするたびにローテクになるというのが気になりました。ループがゆるやかな退化であることを暗示しているのでしょうか。

・ミサキ・シズノという名前

ミサキは恐らく妹の名前からというのはTV版から既に分かっていましたが、結局シズノの由来はわからずじまいでした。

・リョーコが見た記憶

何故か、本当に何故かリョーコが自分がセレブラントとなって戦う未来の記憶を幻視するシーンがあります。これについてはまるでわかりません。しかしADPのキャッチコピーが「忘れられない、未来(ヰタミ)の記憶(オモヰデ)――消されない」であることからも、重要な事であるらしいと考えられます。量子世界では未来もまた観測可能なデータということなのでしょうか。

総評

良かった点も確かにあるし、観て良かったと思いますが、あまり人には勧められません。ただ、TV版の総集編にするのではなく、エピソードゼロにしたのは英断だったと思います。逆説的に前に言った、ゼーガペインを2時間にまとめるのは不可能なんじゃないかという意見が証明された気がします。

そう言えば最後に「NEXT ENTANGLE」と表示されていましたが、まだゼーガペインは何かしら続くのでしょうか。ADPは少しばかり残念な結果になってしまいましたが、といってゼーガペインに対する思いは微塵も揺らいではいないので、もしまだ動きがあるなら追いかけて行きたいと思います。

響け!ユーフォニアム2 第三回「なやめるノクターン」感想

合宿中の練習は凄絶を極め、朝は発声練習、午後は160分以上かけて10回連続で課題曲と自由曲を演奏するという十回通しが行われます。
10回連続!休憩を挟むとはいえ、恐るべきスパルタ練習です。調べたら結構メジャーな練習法らしい。中学の時、吹奏楽部の知り合いが吹奏楽部は体育会系なんだよ」と言っていて、その時は「なんやこいつ」って思ってましたが今なら理解できます。会うことがあれば謝らねば。

少し時間が戻って前回のヒキ、久美子があすか先輩に話したいことがあると言います。もちろん希美先輩のこと。それに対しあすか先輩は、
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「なになに?もしかして恋の相談?」
こういう思ってもないことをあえて言う先輩が俺は……いや、こう繰り返されるとぶっちゃけウザいです。あすか先輩は聡いのだから、久美子が何を相談したいのか大体わかっているだろうに。いや、さすがに久美子と希美先輩の繋がりは知りようがないし、そこまではわからない……か?どちらにせよ真面目な話をこう茶化されるのはあまり気分のいいものではありません。まあそれがあすか先輩の処世術なのでしょうが。

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関西大会ではユーフォニアムは今の二人で吹いてくださいと滝先生に言われ、喜ぶ久美子。かつて「お前、クビな」と言われたフレーズだけに、嬉しさもひとしおでしょう。自分のことのように喜ぶ周りの反応もグッド。しかし1期ではクビ宣告されることが重要なターニングポイントであったのに、それに対するアンサーはずいぶんあっさり流しましたね。2期で問われるポイントは別にあるということでしょうか。

鎧塚先輩は橋本先生に「ロボットが吹いてるみたい」と指摘されます。正確に吹くだけの奏者ならいらない、北宇治に足りないのは表現力だとも言います。芸術において表現力というのはどこまでも付いてくる課題ですね。確かにその人にしか出せない何かが存在するとは思いますが、心の部分を出せというのはふわっとし過ぎて非常に難しい。一方麗奈のように我の強い人間には当たり前の技術でもありますが。

夕食後、久美子は約束通りあすか先輩に、なぜ希美先輩の復帰を許可しないのか、疑問をぶつけます。
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「黄前ちゃんは、どうして私が許可しないと思ってるの?」
「質問を質問で返すなあーっ!!わたしが「理由」はと聞いているんだッ!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか? 」
そういやこのセリフがアニメで聞けるのもそろそろですかね。
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「聞いたら黄前ちゃんが辛くなるよ?それでもいい?」
まるで人間を試す悪魔みたいに問いかけるあすか先輩。
語られる理由。それによれば、鎧塚先輩は希美先輩の顔を見るだけで気持ち悪くなるほどのトラウマを抱えており、しかし希美先輩はそのことを知らない。希美先輩が復帰した場合鎧塚先輩がダメになってしまうので、二人を天秤にかけて一人しかいないオーボエ奏者の鎧塚先輩を優先したとのこと。
フルートの音だけではなく、顔見るのもNGとは……。問題の根は深そう。
「あんたが戻ってくるとみぞれちゃんがオーボエ吹けなくなる、とはさすがに言えないでしょ?私もそこまで鬼じゃないよ」とあすか先輩は言いますが、そこまで鬼だと思ってました……。むしろ平気でそれが出来るのがあすか先輩だと。
しかしこんな話、確かに希美先輩に話すわけにもいきませんね。あすか先輩の言う通り聞かないほうが良かったかもしれません。けれど無関心でいられずなんとかしようともがくのが我らが主人公、黄前久美子なのでした。

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「わーい!花火花火ー!」
良くアニメだとこういうふうに二本持ちで上に上げたりしますが、夢のないことを言うと手持ち花火って熱いし火花は散るしでとてもじゃないが怖くてこんなこと出来ません。少なくとも俺は。

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「まぁでも、滝くんがああやって笑ってるの見てホっとしたよ。滝くん、奥さんがいなくなって、ずっと元気なかったから」
久美子の近くにいると失言しやすくなるのか、橋本先生はうっかり滝先生の過去をバラしてしまいました。滝先生の奥さんは五年前に亡くなり、そのことで気を病んだ滝先生はずっと音楽から離れていたとのこと。
そういえば同じ吹奏楽をテーマにしながら「響け!ユーフォニアム」とは似て非なるハルチカでも、かつて天才指揮者だった顧問の先生が明言はされていませんでしたが奥さんを亡くして第一線から退いたという過去がありましたね。どっちがどっちをパクったというわけではありませんが、こういった背景は創作者に好まれるのでしょうか。

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「だから、北宇治の顧問になったって聞いた時は本当に嬉しかった……。指導手伝ってほしいって言われた時は、ちょっと泣きそうだったよ」
今回一番グッと来たシーン。最初見た時には気づきませんでしたが、目尻に涙を溜めているのも芸が細かくて実に良い。こういう男同士というか、大人同士の友情っていいですね。あんまり押し付けがましくなくて素直に感動できる。だから感動シーンに滝先生のモノマネで笑わせるのはやめてくれ!似てるというか本人の声なのも笑いを誘います。

久美子は持ち前のエンカウントスキルで夏紀先輩とデカリボンが言い争っている場面に出くわします。
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デカリボンに見つかった久美子でしたが、壁と一体となって事なきを得ます。もちろん嘘です。

鎧塚先輩の友だちであるデカリボンも当然希美先輩を復帰させない理由を知っており、さりとてそれを夏紀先輩に言うわけにもいかず彼女なりに悩んでいました。2話でも結構親しげだったし、なんだかんだで仲良いですよね夏紀先輩とデカリボン。

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「本気で全国行こうと思うんだったら、上手い人が吹くべきだと思う」
「え?先輩それって……」
前回のプールでの久美子と希美先輩の会話を盗み聞きしていた、というわけではなく、なんやかんや言ってもデカリボンは麗奈がトランペットのソロを吹くのを認めていました。
そういやもうホントに全然忘れてましたが、久美子は中学時代に3年の先輩を差し置いてレギュラーの座を得た時のごたごたがトラウマになっていたんですよね。そのことを考えれば前回かつてと同じことを問われしっかり言い返した久美子は立派にトラウマを乗り越えました。

部屋に戻ってきた久美子に、麗奈は塚本と会っていたのかと聞きます。麗奈はちょっと恋愛脳が過ぎるな……。
そういや塚本は1話の祭り以降出てきません。まるでモブ扱い。塚本は多分花咲くいろはのコウちゃんみたいに最後の最後まで久美子に相手にされないのでしょう。コウちゃんと同じように逆転ゴールを決めることが出来るかどうか。

翌朝久美子が練習に行くと、トランペット吹くパズーユーフォを吹くあすか先輩の姿が。
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「その曲はどこか不思議で、温かくて……寂しくて……、幾重にも重なった感情が込められているようだった」
今まで俺はあすか先輩のことを吹奏楽意外に興味のない血も涙もない人間だと思っていましたが、どうやらことはそう単純では無い様子。果たして彼女の真意はどこにあるのか。

今週のジャンプ感想 2016年46号

・「僕のヒーローアカデミア
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もうちょっとこう……あるだろ!
思っていた以上に焦凍(というかエンデヴァー)と夜嵐の因縁は浅いものでした。まあドン引きされるようなことをしていて、これ以上エンデヴァーの株を下げるのもアレなのでこの程度でむしろ良かったと言えるかもしれません。

・「火ノ丸相撲
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一方これからドン引きされるようなことをする予定の三ツ橋。十中八九ここで三ツ橋が勝つのでしょうが、火ノ丸にすら嫌われるかもしれない変化って一体なんなんでしょうか。

・「左門くんはサモナー
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ヘブライ語で話してくれないと何言ってるか分かりませぇ~ん」という冗談はさておき、左門くんでここまでガチシリアスな展開は初めてなんじゃないでしょうか。
神のために人を害す、敵意の名を持つ天使マステマメガテニストにはマンセマットの名のほうが有名でしょう。ストレンジジャーニーで登場し、今までのメガテンの天使像とはまた違う強烈なインパクトを残したぺ天使です。真メガテン4では穏健派でびっくりしました。
しかし信心をはかる為にあえて人を試すなんて、嫌な天使ですね。有名なネタで、聖書の中で人を殺した数は悪魔が10人に対し神は200万人というのがありますが、こういう奴がいるのならそれも納得です。

・「ワールドトリガー
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玉狛第ニの次の相手は、自分に向けられる感情を察知できる影浦率いる影浦隊に、始まりのA級と呼ばれ恐るべきスナイプ技術を持つ東率いる東隊、そして寝れば強くなる村上鋼擁する鈴鳴第一と強敵揃いです。どこも一度やりあったチームですが、新戦術に加えヒュースの加入によって玉狛第ニは以前とは比べ物にならないほど強くなっています。きっとこの試合で凄まじい戦果をあげることでしょう。

・「磯部磯兵衛物語
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今回の前回のあらすじはペルソナ5でしたが、それは置いといて言いたいことがあります。
そこは磯兵衛人形だろおおおおおお?!なんで有効活用しないんだ。
しかし磯兵衛人形だと39話とまるで同じ話になってしまうので、そういった判断から今回のような話になったのでしょう。ぶっちゃけ人形が大きくなっただけでまるで同じ話でしたが。

舟を編む 第一話「茫洋」感想

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「茫漠とした言葉の海、海を渡るすべを持たない僕たちはそこでただ佇む。誰かに届けたい思いを言葉を胸の奥底にしまったまま。辞書とはその海を渡る一艘の舟だ」
というわけで舟を編むが始まりました。私は原作は未読ですが、映画は劇場で観ました。今はなき吉祥寺バウスシアターで観た思い出深い作品です。こういった採算が採れないような作品をアニメ化してくれるノイタミナは非常にありがたい。

物語の舞台である玄武書房、その辞書編集部の荒木は、新しい辞書作りに必要な人材探しに奔走します。
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「辞書の編集作業は単行本や雑誌とは違う大変特殊な世界です。気長で細かい作業をいとわず言葉に耽溺し、しかし溺れきらず広い視野をも併せ持つ。そういう若者が今の時代に果たして……」
最後に辞書を引いたのはいつになるのやら……。これは物語なのでもちろん馬締といううってつけの人間が現れるわけですが、現代にそんな人間が今でも存在しているとはちと考えられません。
そう言えばこの物語の時代設定はいつなのでしょうか。映画版では1995年と明言され、原作では意図的に伏せられているそうです。

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この物語の主人公、馬締光也。少々鈍くさく、何事もそつなくこなしそうな西岡(辞書編集部のチャラ男)とは正反対。CVは櫻井孝宏
しかしここ最近櫻井氏の声を良く聞きます。オルフェンズのマクギリス、ユーフォニアムの滝先生、ジョジョ岸辺露伴ドリフターズ安倍晴明。櫻井氏はベテランもベテランなので当然と言えば当然なのですが。個人的に大好きな声優の一人なので嬉しい限りです。しかし週に何本も出てて全部キャラクター性が違っては大変でしょう。

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「馬締なぁ。真面目っつうか天然なのも結構だけど要するにもう少し空気読めってこと」
辞書編集部所属、西岡正志。CVは神谷浩史
国語辞書編纂者で、本アニメではサブタイトルの語釈を担当している飯間浩明氏によれば、空気を読むという言葉は21世紀に広まった言葉で、この時代ではまだ一般的な言葉ではなく西岡の新語に対する感度の鋭さ、ひいては辞書編集者としての優秀さを表しているそうです。馬締がわざわざ空気を読むという言葉の意味を確認したのも納得です。

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「煮物を作り過ぎちゃったんだよ。よかったらみっちゃん食べてって」
「ありがとうございます。ではご相伴にあずかります」
馬締が部屋を借りている早雲荘の大家、タケさん。
俺も「ご相伴にあずかる」なんて綺麗な日本語が自然に話せるようになりたいものです。

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こうやってメモしたものが、それこそ莫大・膨大にあるのでしょうね。

西岡から馬締の話を聞いた荒木は、馬締こそが自分の求める人物だと考え会いに行くことに。そして馬締に「右」という言葉を説明してほしいと言います。
右や、あるいは色の赤など、そうとしか説明できない言葉を説明するのは至難の業です。しかしそれをやってのけるのが辞書というものであり、辞書作りに必要な能力です。
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「「箸を使う方」と言うと左利きの人を無視することになりますし「心臓のない方」と言っても心臓が右にある人もいるそうですから……。体を北へ向けたとき東に当たる方角」
映画では、一つの辞書を例に出して「この辞書を開いた時の偶数ページがある方」と説明しており、スマートな説明の仕方だとえらく関心したものですが、それは次回辺りに来るのでしょうか。
馬締の答えに感激した荒木は、馬締に新しい辞書「大渡海」作りに力を貸してほしいと頼むのでした。

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「言葉の海を前にたたずむ人の心を思いを運ぶために、僕たちは舟を編む。言葉の海を渡る「大渡海」という舟を」